LINK女性記者が体験、「相席屋」潜入ルポ!!(水戸さくら)

相席の魅力「あわよくば」だけじゃない?

 初対面の男女が「相席」して食事を楽しむ居酒屋「相席屋」を、LINKの女性記者が訪れてみた。座席には柵状の扉がついていて、外側から中の様子が見える半個室。男女が向かい合うように誘導してもらえる。初対面の男性が腰に腕を回してきてウエッ、なんてことは起きないようだ。

 女性は一部のフードメニューを除いて食べ飲み放題無料、男性は30分1500円。店内は出会いを求める男性客でいっぱいだろうという予想を裏切って、開店直後の店内には若い女性客が数組、男性客は一組だけだ。

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飲み物、トランプ、工夫さまざま

 ドリンク類はすべてセルフサービスで、日本酒やビールだけでなくリキュール類も豊富。これが「何か美味しいの作ってくださいよー」なんて話の種になるうまいシステムだ。座席の小箱の中に用意されたトランプにも話題づくりのための配慮を感じる。携帯電話の充電ケーブルもあるので、電池切れで連絡先が交換できません、なんてことも起きない。

「相席そのもの」楽しめるか

 この日は17時から22時まで滞在して、3組の男性客と相席することができた。「不倫はしない!」と断言する既婚男性から、自己紹介もせずに「もっといい店行こう」と誘ってくる独身男性まで、客層はさまざま。万が一気まずくなっても「相席」に30分の時間制限があるのは安心だ。地方から出てきて友達が欲しくなったという二人は、「今日はいい日だ」を連発。連絡先の交換を断っても「楽しかったよ」と笑顔で、こちらとしても「またどこかで会えたらいいな」くらいの気持ちにはなった。

 後日、相席屋に行ったことがあるという女性らに話を聞いた。来店のきっかけは「安く飲食できる店があると誘われて」、「初対面の人と食事をするのが面白そうで」など。共通の話題で盛り上がったり年上の相手に人生相談をしたり、「相席そのもの」を楽しんだ様子。あわよくば、という期待だけが相席屋の魅力ではないようだ。

プロの仕事論 78 歳バーテンダー・田中光男氏(村上直樹)

 

大阪市あべのハルカスの近くにあるバー「Mr.TANAKA」は開業50年を超える老舗だ。がんを患ってもマスターの田中さんがカウンターに立ち続けるのは、家族やお客さんの存在が心の支えになるからだ。

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カクテル「ブルーハルカス」

白い砂糖は雲を連想させる

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「教派擬人化」実現で話題 ピューリたんで伝道?(水戸さくら)

  •  キリスト教専門誌『キリスト新聞』で連載中の「ピューリたん」。「宗教系ゆるふわマンガ」がコンセプトだ。以前からあった「教派擬人化」構想の実現は、クリスチャンだけでなく「萌え擬人化」ファンの間でも話題。関係者もこの動きを歓迎している。

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  同作品の作者SONO氏をリクルートしたのは、『キリスト新聞』編集長の松谷信司氏。宗教改革をモチーフにしたイラストがツイッターに出回っているのを偶然見かけ、作者の素性も知らないままラブコールを送ったという。キリスト教の教派である「ピューリタン」の「タン」をひらがなにして擬人化するという、「オタク界隈には以前から存在していた」構想の実現を提案した。 

 SONO氏は都内の大学で西洋史を学ぶ現役の女子大生。企画の面白さに加え、自身がプロテスタントであることからも、プロテスタントの一派であるピューリタンを主人公にした教派擬人化に挑戦したという。『キリスト新聞』は教会への配架が中心の専門誌で、既に教派についてよく知っているクリスチャンの読者は多い。

ネットで話題
海外サイトにも

 一方、キャッチ―なコンセプトと「ゆるふわ」な絵柄から、「信仰してはいないがキリスト教に興味はある」読者からの反響も大きい。ツイッターでは「マジか」、「かわいい」、「こういうのやっちゃうのか」などの声があがり、最初に同作品を紹介したのは海外のネットメディア。Togetterをはじめとした国内のツイートまとめサイトでも取り上げられた。

「興味ある」層へ
サブカルで接近

 こうしたノンクリスチャンからの反応を松谷氏は歓迎する。「読者層を広げなければ、教会も専門誌の出版業界も衰退する一方。『ピューリたん』目当てで専門の書店に出向いてキリスト新聞を購入しているという声もあり、ありがたい」。SONO氏も「マンガがキリスト教に興味を持つきっかけになるのはうれしい。その中から少しでも教会に来てくれる人が出れば」と期待をこめた。

 関西学院大学宗教センター宗教主事のジェフリー・メンセンディーク准教授は、教会が外部社会との関わり方に「困っている」ことを指摘する。毎週教会に通うクリスチャンは日本社会では少数派で、外部からのアプローチに不慣れ。意図せずして「一般社会と離れた別世界を作ってしまう」ことがある。同作品についても「サブカルチャーで日本社会とキリスト教との間を取り持とうとしているのでは」と話した。

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12 月25 日付のキリスト新聞に掲載された「ピューリたん」第17 話。禁欲的なピューリタンをモチーフにしたピューリたんは、真面目だが情熱的で社交的な図書委員の女の子だ。(提供:SONO 氏)

 

「見えない」難民問題 響け、当事者の声(浜田寛子)

 日本が初めてクルド人*1を難民として受け入れたのは1980年頃。イラン・イラク戦争の被害から逃れるため、およそ15万人のクルド人が欧州、カナダ、オーストラリア、アメリカ、そして日本を目指した。日本クルド文化協会によると、現在2000人を超えるクルド人が日本にいるとされ、うち半数の1000人は同協会のある埼玉県に住む。今回は同県を訪れ、話を聞いた。難民が抱える課題は多く、問題解決への道のりは長いようだ。

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◆取材に答えるギュルさん(左)。 時折涙を浮かべ、 真剣な表情で自身が抱える課題を話した。(撮影=浜田寛子)

*1:クルド語を母語とし、独自の文化を持つ人々。第一次世界大戦に勝利した英仏がオスマン帝国を解体した際、トルコ、シリア、イラク、イランなどに分断された。 推定人口3千万人前後で、国を持たない世界最大の民族と言われる。トルコやイラクでは少数派として疎外されてきた歴史的経緯があり、自治拡大を求め続けている。

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<書評>独特な文体から浮き上がる物語・『恋文の技術』 (森見登美彦・ポプラ社)

 物語の舞台は、京都から少し離れた能登半島だ。京都の大学院に在籍する主人公の守田一郎は教授に命ぜられ、能登半島臨海実験所にクラゲの研究をするためにやってきた。

 森見登美彦は作品のあとがきで「夏目漱石の書簡集がおもしろかったので、とにかく真似しようと思った」と述べている。実際に作品の冒頭から

四月九日
拝啓。
お手紙ありがとう。研究室の皆さ
ん、お元気のようでなにより。

と守田一郎が京都の友人や知人へ送った手紙という体裁で進んでいく。

 手紙の内容からは、守田一郎の頼りない友人、小松崎友也の奇行や意地悪な先輩、大塚緋沙子の悪行の様子がうかがえる。守田一郎が一人ひとりに送った手紙の内容は断片的だが、読み進めていくうちに物語の全体像が徐々に分かってくる構成の巧みだ。また森見登美彦独特のユーモラスな文体に読んでいて思わず笑みがこぼれてしまった。

 私自身、最近では連絡をメールやスマートフォンアプリの「LINE」で済ませてしまうことが多くなった。どこにいても、だれとでも、すぐに連絡が取れる現代において、年賀状や暑中見舞いなど、特別なことがない限り手紙を送ることはなくなった。

 しかし、守田一郎のように手紙という改まった形式で、親しい友人に対して伝えたいことを送ってみるのも悪くない。みなさんもたまには手紙を送ってみてはいかがだろうか。(川嶋健佑)

 

著者の森見登美彦は2003年に『太陽の塔』で華々しいデビューを飾った人気作家。同作品で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、以後も京都を舞台にした作品で人気を博している。13年には人間に化けた狸が活躍する物語『有頂天家族』がアニメ化された。

 

 

恋文の技術 (ポプラ文庫)

恋文の技術 (ポプラ文庫)

 

 

<人口急増のモンゴル・ウランバートル市>日本の国際協力 要望に応えきれない援助

 モンゴルでは近年、地方に住んでいる人びとが首都ウランバートルに移住し、都市人口が増加している。

 そのため、住居の供給が追いつかず市民の多くはインフラが整っていない場所に移動式住居を建て暮らしている。この地区をゲル地区と呼び、JICA ( 国際協力機構) は状況を改善するために市内のゲル地区の一部を再開発し、マンションや戸建てを建設、再開発対象地区に住んでいる世帯に住宅を無償で提供するという事業を行っている。

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