<大阪・石橋商店街>増税、自営業者の思い(小野京香・平野美優)

 増税に伴う経営側の意識調査を行うため、「石橋商店街」でインタビュー取材を行った。同商店街には、グルメ、ファッション、医療・介護や美容関係など、多岐に亘る約140店舗があり、客層も地元の主婦や高齢者、近隣大学の阪大生、と幅広い。

 今回は、8%の増税にどう対応したか、また増税をどのように感じたか等を、薬局、和菓子店、洋菓子店、花屋、パン屋で伺った。

 増税への対応として、表示を変えるのに4〜5人がかりで1週間弱かかったところもあった。価格表示は10%の増税を見越して、税抜き価格にしているところが多い。だが、税抜きで表示をしていると、会計の際にレジに表示される税込み価格を見て、戸惑うお客さんもいるとのことであった。

 税込み価格で表示している和菓子屋は、「お年寄りのお客さんが多いため、一目見て値段が分かるよう、税込みの値段で、端数まですべて記した手書きの表示を作っています」と言う。また店によっては、お客様に対するサービスとして、あるいは「便乗値上げ」との不満を避けるため、増税後も価格を変えずに販売している商品もあるとのことだった。

 洋菓子店の店主は、増税したからといって、消費者の購買意欲が下がるという決めつけをするのではなく、通常通り品物を売る努力をするのが大切だと言っていた。実際、売り上げを聞いたところ、増税が始まった4月の売り上げは前年より下がっていたが、5月以降は増加したという。

 今回の増税について、「日本社会の発展や国民生活の水準の変化に合わせた結果であり、受け容れていかなければならない事実である」と語った。

 増税を受けてIMF国際通貨基金)も、プライマリーバランス(国の財政収支を表す一つの指標)が約22兆円赤字の日本にとっては妥当な政策であるとの見解を持っている。赤字を解消することで将来世代の負担を減らすことが出来るという見込みがあるからだ。だが、IMFは赤字を達成するにはさらに15%まで消費税を引き上げる必要があると主張している。

 しかし今回の取材では、なぜ増税したか、また増収分がどのように使われるのか分からないという意見が多く聞かれ、政策目的が国民に届いているかが不確かであった。来年には10%に上がる予定の消費税。政府は増税の目的を納得のいくかたちで国民に示すべきではないだろうか。