<フィルムの魅力>上映会での出会い(上尾歩)

 10 月19 日、神戸ドキュメンタリー映画祭のイベントの一つとして、神戸市立地域人材支援センターにて、ホームムービーの日 in 神戸が開催された。このイベントは、地域や家庭に眠るフィルムを持ち寄り、その時代の記憶を呼び覚まそうというものだ。

 私は受付係として、会場の後ろにあるドア近くに座っていた。来られるお客さんは、フィルムの提供者の方や、地域の方、大学の教授、そして嬉しいことに小学生の子どもにも足を運んでいただいた。上映が始まるとともに、私たちの目の前にたくさんの方の思い出が映し出された。100円で数分間だけ見られる望遠鏡を、ぐるぐると必死に回し景色を見る子や、小学校の町内マラソンで、町の人みんなが表に出て応援をしているもの、親戚一同のキャンプ中、松山容子さんのパッケージのボンカレーをみんなで揃って食べているもの等があった。

 途中、上映に飽きてしまった子ども達が遊び出してしまうアクシデントがあった。それゆえに、後半の上映で私はこの子たちの相手をしていたため、後の内容を全く知らない。はしゃぐ子どもの体力は底知れず、勘弁してくれと言い一緒に受付に座って小声で話をした。すると、この子たちは二つのくるくる、つまりフィルムを回している映写機を見て、面白いと言ってくれた。昔の映像を見るより、珍しい映写機を見る方が新鮮で楽しかったようだ。これを聞いて私はすごく嬉しかった。私も映写機の見た目のかっこよさに惹かれ、映写をする映写技師さんの職人技に惹かれ、フィルムの映画に魅力を感じた一人であったからだ。今回のイベントがあの子たちの特別な日になってくれていたら、とても素敵なことだと思う。そして、映写機に憧れる子どもがもっと増えてくれればなとも思った。子どもたちに、改めてフィルムの良さを教えてもらった日だった。
(上尾歩)