<中東周遊取材>パキスタン・反政府デモ~政府は盗賊だ!~

  パキスタン首都イスラマバードの中心部、Dチョークと呼ばれる地区周辺は首相府や大統領府、その他政府機関が集中した、いわばこの国の心臓部分である。現在そこではパキスタン正義運動率いるイムラン・カーン氏、人民運動率いるタヒル・ウル・カドリ氏と、その支持者による反政府デモが行われている。彼らは首相の退陣と新政権樹立を訴え、8月中旬より首相府の前で座り込みを続けている。軍は介入しない方針を示しているが、これまでに警察との衝突で、参加者の中で3人の死者と数百人もの負傷者が出ている(情報は2014年10月現在)。

f:id:link-hensyubu:20160314162926j:plain

 

 筆者がここに訪れたのは2014年10月中旬。デモ会場に近づくにつれ、警察によるバリケードや警備が増え、会場に入るには、参加者によって設けられた検問を通過しなければならない。デモ参加者が緊張した表情で筆者のボディチェックを終えると、彼は会場へ迎えてくれた。そこには多くのテントが設置されており、食べ物や菓子、ジュースを売る参加者までおり、まるで祭りのような空気が漂っていた。昼は各々の時間を過ごし、夜になるとより活発になるという。

f:id:link-hensyubu:20160314162937j:plain

 「ナワズ・シャリフ(現首相)は泥棒だ!」「政治家は国の資源を自分たちの利益にしか使わない。何十年も前から彼らには落胆している」「僕ら兄弟はこのデモのために連邦直轄部族地域から来たんだ。学校に行くお金もないし、故郷じゃ仕事もない。だからこのデモで何か変化が生まれることを望んでいる。このデモをチャンスと捉えているんだ」“ GO! Nawaz GO! ” をスローガンに、デモの参加者は口々に意見を主張する。

 一方デモに参加していない人々からは冷静な意見も耳にする。「前に比べ今の政権はましだよ。彼らにもう少し時間を与えるべきだ。むしろデモ隊こそが国にとって悪影響

だよ」

 最後に、「でも国際社会がシャリフと親しくする限り、このデモで変化を生むのは難しいだろうな…」筆者にそう語るタクシー運転手の顔が印象に残った。

f:id:link-hensyubu:20160314162947j:plain

f:id:link-hensyubu:20160314162959j:plain

写真:支持者のプラカードを掲げ"Go! Nawaz Go!"と叫ぶデモ参加者。