<カザフスタン・ウズベキスタン訪問記>ソ連崩壊、中央アジア独立国の今

 筆者はこの夏、近年の経済成長と、中露に挟まれたその地政学的重要性から注目の集まる中央アジアの2大国、カザフスタンウズベキスタンを訪れた。

 

 1991年の独立当初から、厳しい状況下、民主化市場経済化を推進してきた中央アジア諸国だが、独立後20年あまり経過した現在、その在り方は多様化している。特に経済面では、エネルギー資源の有無により経済格差が増大しており、これらに恵まれたカザフスタンは、GDPが2000億ドルを超え(2013年:IMF)、中央アジアでは堂々の首位だ。また外交政策では、中央アジア各国やロシアの他、資源を狙う中国、米国、欧州ともバランスの取れた外交関係を維持している。

 一方ウズベキスタンは、国家統制を根強く残し、その経済はGDP626億ドル(2014年:IMF)に留まっている。海外からの直接投資(FDI)にも慎重で、独立後は独自の道を歩み続けている。

 カザフスタンの首都アスタナには奇抜な建築群が林立しており、若者の文化や習慣は欧米風で、確かに経済発展の様子を窺わせていた。しかし、カザフスタンの全方位的政策は、何よりも国際社会における存在そのものを形作ることが第一に目指されており、ソ連崩壊後の自国文化・伝統への回帰や保護は後回しにされてしまった。独自の習慣や文化の保護に手厚く、ソ連前の伝統や宗教観が今も大切にされているウズベキスタンと比較すると、少し寂しく、空虚な感じがしたのも事実だ。

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カザフスタンの首都アスタナで撮影。)

 何を持って国の成長や幸せとするのか、もちろん答えは一つではない。終戦70年という節目の年、今一度自分の国、歴史や文化をみつめたいと思う。(文・写真=平野美優)