ロシアの戦後70年   対独戦勝記念日の在り方

 2015年5月9日、街ゆく人々はロシア国旗を手に湧いていた。対独戦勝記念日であるこの日、ロシア全土で軍事パレードが行われており、筆者はモスクワで見学した。

f:id:link-hensyubu:20160312013730j:plain

遺影を手に持ちパレードに参加する人々。(撮影=LINKジャーナル編集部)

  対独戦勝70周年記念にあたる今年、例年に比べ盛大にパレードが行われた。兵士約1万6千人、装甲車200台、軍用機やヘリコプター150機が参加し、最新型の主力戦車も披露された。その後、目抜き通りに兵士の遺影を持つ家族が大勢集まり、行進が始まった。

 敗戦国と戦勝国とでは戦争関連の記念日の過ごし方がここまで異なるのかと驚いた。日本人にとって終戦記念日は、戦争を二度と起こさないように誓い、平和を願う日だ。戦勝記念日の数週間前から街中にポスターが貼られ、公共交通機関では戦勝記念日についての放送が流れた。ロシア政府がいかにこの記念日を重要視しているかがわかるが、過去の栄光にすがっているようにも感じた。現在ロシアは国際社会において苦しい立場に立っている。ルーブル安が進み、経済的な面でも苦しみを味わった。そのような状況で、盛大に祝うことで、国民に過去の栄光を思い出させ、政府は権力を誇示したのではないか。戦勝記念日のありかたを考え、ロシア国民のための祝日であっても祝い方に他国への配慮を示してほしい。
     

f:id:link-hensyubu:20160312014122j:plain

戦闘機で「70」周年をアピール