学級身分制度「学内カースト」の影(三根穂香)

同じクラスの生徒という立場であるにも関わらず、格差が発生する「学内カースト」。現場の教員や生徒たちは何を感じ、そしてどのようにつきあっているのだろうか。

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階級制度 学級内に存在

 『学内カースト』とは、「人気や『モテ』」を軸とした序列構造である。主にこれは中学・高校のクラス内で発生し『一軍・二軍・三軍』というように、「所属グループのランク」で分類される。カーストの評価基準としては、面白い・異性と仲が良い・クラス内での発言力・人望・優れた容姿…などが挙げられる。下層部の生徒が上層部の生徒に面倒事(掃除当番、委員など)を押し付けられるケースもあり、いじめ問題にも関わっている。近年では大学における教職の授業で学内カーストについて著した新書が教材に使われることもあるほどに、教職員の間では浸透した言葉だ。

 実際にいくつかの学校の現場の先生から声を聞いたところ、全員が「(学内カーストという言葉を)聞いたことがあ

る」と答えた。

生徒間格差は「当たり前

 しかし、クラス内にある生徒間格差から生じた問題にどのようなものがあったか尋ねると、「はっきり関係していると言える例はない」「私が見ている限りはないと思う」というような答えが多くみられた。そして「自然にできるものなので私たちにどうこうできることではない」「決して上層部ではない大人しい生徒たちにもそれぞれ輝ける場所を見つけてほしい」というように、「学内カースト」の存在そのものを否定するような声はなかった。それどころか「引っ張ってくれる生徒がいるとこちらもありがたい」とむしろ学級の運営に格差を利用しているような言葉もあった。 

 生徒間格差について「(自然に発生して)当たり前のもの」と答えたとある中学の教員はその後「学校の名前は絶対に出さないですよね?」と何度も念を押した。

「努力しても
  ウザがられる」

 下校中であろう街中の中高生達にも「学内カースト」について聞くと大半の生徒がそれに準ずる存在を認知していた。「感じるけど意識するものではない」らしい。「努力して上のグループにいこうとしても、ウザがられる。自然に受け入れるもの」と中高生たちは認識する。「上層部の人は明るい人が多く、そうでなくてもなにか個性がある。下層部は…どうだろう」そのようにカースト別のグループについて話した。下層部にはあまり印象がないのだろう。

 抗うことも存在の否定も許されない「学内カースト」。現状の教育システムではどうしても付きまとうこの「階級制度」に縛られず、絶対的な自分の評価を持ってほしいと願う。

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