「教派擬人化」実現で話題 ピューリたんで伝道?(水戸さくら)

  •  キリスト教専門誌『キリスト新聞』で連載中の「ピューリたん」。「宗教系ゆるふわマンガ」がコンセプトだ。以前からあった「教派擬人化」構想の実現は、クリスチャンだけでなく「萌え擬人化」ファンの間でも話題。関係者もこの動きを歓迎している。

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  同作品の作者SONO氏をリクルートしたのは、『キリスト新聞』編集長の松谷信司氏。宗教改革をモチーフにしたイラストがツイッターに出回っているのを偶然見かけ、作者の素性も知らないままラブコールを送ったという。キリスト教の教派である「ピューリタン」の「タン」をひらがなにして擬人化するという、「オタク界隈には以前から存在していた」構想の実現を提案した。 

 SONO氏は都内の大学で西洋史を学ぶ現役の女子大生。企画の面白さに加え、自身がプロテスタントであることからも、プロテスタントの一派であるピューリタンを主人公にした教派擬人化に挑戦したという。『キリスト新聞』は教会への配架が中心の専門誌で、既に教派についてよく知っているクリスチャンの読者は多い。

ネットで話題
海外サイトにも

 一方、キャッチ―なコンセプトと「ゆるふわ」な絵柄から、「信仰してはいないがキリスト教に興味はある」読者からの反響も大きい。ツイッターでは「マジか」、「かわいい」、「こういうのやっちゃうのか」などの声があがり、最初に同作品を紹介したのは海外のネットメディア。Togetterをはじめとした国内のツイートまとめサイトでも取り上げられた。

「興味ある」層へ
サブカルで接近

 こうしたノンクリスチャンからの反応を松谷氏は歓迎する。「読者層を広げなければ、教会も専門誌の出版業界も衰退する一方。『ピューリたん』目当てで専門の書店に出向いてキリスト新聞を購入しているという声もあり、ありがたい」。SONO氏も「マンガがキリスト教に興味を持つきっかけになるのはうれしい。その中から少しでも教会に来てくれる人が出れば」と期待をこめた。

 関西学院大学宗教センター宗教主事のジェフリー・メンセンディーク准教授は、教会が外部社会との関わり方に「困っている」ことを指摘する。毎週教会に通うクリスチャンは日本社会では少数派で、外部からのアプローチに不慣れ。意図せずして「一般社会と離れた別世界を作ってしまう」ことがある。同作品についても「サブカルチャーで日本社会とキリスト教との間を取り持とうとしているのでは」と話した。

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12 月25 日付のキリスト新聞に掲載された「ピューリたん」第17 話。禁欲的なピューリタンをモチーフにしたピューリたんは、真面目だが情熱的で社交的な図書委員の女の子だ。(提供:SONO 氏)